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第14回 市民公開講演会「がんについて」

がんの放射線治療-陽子線治療の解説も含めて-

2003年06月14日(土) 中央区立中央会館にて開催

国立がんセンター東病院陽子線治療部長 荻野 尚



はじめに

1.放射線は恐くない

2.なぜ放射線ががんに効くのか

3.放射線治療の実際

4.新しい放射線治療─陽子線治療の可能性

5.がんの治療法の選択

Q&A



はじめに

今日のお話は、まず「放射線とは何か」について、まず一般の方が言葉から想像される「放射線治療」に対する不安や誤解をされないように、お話したいと思います。次に放射線治療一般の具体的な方法をご説明します。また、放射線治療にも新しい展開があります。皆さんも耳にしたことがおありかと思いますが、国立がんセンター東病院で行われ始めた、陽子線による放射線治療をご紹介します。そして最後に、手術や放射線治療、化学療法を含めたがんの治療方法を、いかに選択すべきかというお話をしたいと思います。



内容が多岐にわたり、それぞれの説明が駆け足になってしまうと思いますが、ご了承いただきたくお願い申し上げます。




1.放射線は恐くない

まず、放射線一般についてお話したいと思います。とくに医療の現場では、放射線を浴びる機会は多く、いわゆる放射線治療以外にも、定期検診の胸のレントゲン撮影やバリウム検査があり、歯医者さんでの検査も、あるいはCT検査などもあります。そこで私たち医療者は、患者さんから「放射線は恐い」という感想を多く聞きます。しかし、医療の場以外での私たちの日常生活は、本当に放射線とは無縁なのでしょうか。それを、私たちを取り囲む「天・気・人・地」の4つに分けてお話したいと思います。



まず「天」ですが、私たちは1分間に約1万個(1万ベクレル)の放射線を、「宇宙線」として浴びています。仮に飛行機に乗って羽田~青森間を往復した場合、その高度が高ければ高いほど、たくさんの放射線を浴びるということが分かっています。普通に生活していても、空から放射線を受けているわけですね。「地」についてはもっと多く、私たちは大地から1分間に約40万個の放射線を浴びています。東海道線に乗って、それぞれの地点で放射線の強さを調べると、トンネル部分は大地で覆われているため放射線は高く、橋の上では大地からの放射線が川の水で遮蔽(しゃへい)され、低いことが分かります。このことは大地からの放射線の存在を示しています。さて、「人」ですが、人体内で1分間に約50万個の放射線を食べものとして摂取しています。一番多いのは、カリウムに含まれる「カリウム40」という放射性物質で、例えば干しシイタケ、ホウレンソウ、生ワカメは、比較的カリウムを多く含んでいます。「気」としては、私たちは肺に1分間に約500個の放射線を吸入しています。それは「ラドン」という大気中にある放射性物質を吸うためです。風が強いとラドンは吹き飛んでしまいなかなか肺に入りませんが、風が弱いと、ラドンは浮遊し吸い込みやすいということです。



ですから、たとえばマラソンの高橋尚子選手は、標高3,000mといった高地で練習し、また酸素摂取能力は普通の人の1.5倍ぐらいあり、おそらく食事もわれわれよりは多くとりますから、ひょっとしたら普通の人よりたくさん放射線を浴びているだろうと思います(笑)。でも、まさに一流のアスリートなわけですね。放射線を浴びること自体は日常茶飯事なのですから、それ自体を恐れる必要はどこにもありません。



また、「放射線が恐い」といった不安の原因に、「放射線」と「放射能」とが皆さんの頭の中で混乱していることがあります。「放射能」は、名前のごとく放射線を発生する能力をいいます。放射能を持つものに放射性同位元素があります。たとえば、ろうそくと電灯はともに光を発しますが、その光を放射線と考えてみます。ろうそくのろうはそれ自体が光を発しますから、ろうそくは「放射能を持つ」といえます。ところが電灯はコンセントにつなげなければ光は発しません。ですから電灯は「放射線は発生するが、放射能はない」といえます。放射線と放射能という言葉にはそういった違いがあるのですね。通常の放射線治療で放射線を浴びても、患者さんのからだが「放射能を帯びる」ことは決してありません。




もちろん放射線治療には、ほかのがんの治療法と同様に副作用はあります。しかしそれは、皆さんが恐怖心をもたれるような「放射線」という言葉から来るような恐さ、危険性とは別のものです。そのことを、まずご理解いただきたいと思います。




2.なぜ放射線ががんに効くのか

1)放射線治療の長所と短所



表1 放射線治療の特徴

表1 放射線治療の特徴
がんの治療法は、大きく「手術」「化学療法」「放射線療法(放射線治療)」があり、それぞれが単独で用いられたり、2種類以上の治療法の組み合わせで行われたりします。



放射線治療の特徴を、他の治療法と比較してまとめると(表1)、まず腫瘍に対する優れた効果があり、人体への影響が少なく、患者さんのからだの機能や形態を温存しやすいことがあげられます。たとえば手術は、呼吸機能や心臓の機能が悪いと難しい場合があり、抗がん剤も肝臓や腎臓の機能が悪いと使えないケースも出てきます。その点、放射線治療ではそうした適応の制限は少ないです。




また、からだの機能や形態を温存するということは、治療後の患者さんの「QOL(クオリティー・オブ・ライフ;生活の質)」を高く保つことに寄与します。こうしたことが放射線治療の長所ですね。





しかし、いい点ばかりではありません。放射線治療に特異的な短所として一番問題になるのは、「晩期の放射線障害(遅発性反応)」です。「晩期」という意味は、治療が終わって1~5年、あるいは10年といった長い期間の後に生じるということですが、そうした障害が発生する可能性があります。また放射線を浴びることで生じるがん(放射線誘発がん)は、皆無ではありませんが、これは現実のがん治療現場では、あまり問題となるようなものではありません。





2)放射線はがんを「焼き切る」のか

放射線治療というと、レーザー光線のようにがんを焼き切るようなイメージをもたれる場合が多いのですが、そうではありません。そのことを順を追って説明したいと思います。



細胞は、すべて個々の細胞が持つDNAを複製し、その命令に従って秩序立てて増殖していきますが、がん細胞は無秩序、無制限に増殖します。一方、放射線がDNAに当たるとDNAが断裂し、それにより細胞が死んでしまって、細胞増殖は不能となります。放射線治療とは、そうした放射線の作用を利用してがんの増殖を止め、がん病巣を死滅させる治療法なのです。



この「DNAを破壊する放射線のエネルギー」は決して多くの量を必要としません。たとえば80℃のホットコーヒーを約3ccすすると、それはからだの中で体温(37℃)と同じ温度になります。そこでは人は1cc当たり80-37=43calのエネルギーを吸収したことになります。1calは4.2J(ジュール;熱量の単位)ですから、3ccのホットコーヒーをすすると、その人は541.8Jの熱量を吸収したということになります(43×3×4.2=541.8)。



さて、体重50kgの人が10Gy(グレイ)の放射線を一挙に浴びると生命に危険を及ぼしますが、「Gy」とは、「キログラム当たりのJ」という単位ですので、「体重50kgの人が10
Gyの放射線を浴びる」ということは、500Jの熱量を浴びることになります。つまり致死的な量の放射線も、熱量としては3ccのコーヒーを飲むより低いわけですね。ですから放射線は、エネルギー的には微々たる量で細胞を殺しているのです。ですから「焼き切る」といったイメージの治療ではないのです。








表2 放射線治療の適応

表2 放射線治療の適応

3)放射線治療の適応(表2、3)

放射線治療は、ほとんどが悪性腫瘍(がん・肉腫)を対象に用いられますが、一部の良性腫瘍(脳腫瘍・下垂体腫瘍など)にも使われますし、良性疾患(脳動静脈奇形・ケロイドなど)、あるいは甲状腺機能亢進症といった内分泌機能異常に対しても行われます。



一般にがん治療は「早期に発見されれば手術が行われ、それが難しい場合に放射線治療の適応になる」と思われがちですが、決してそうではありません。がんの種類によっては手術に匹敵するような治療効果があります。



たとえば早期の喉頭がんでは、手術による治療では声帯をとらなければならないケースが多く、それでは患者さんは手術により声を失ってしまうことになります。しかし放射線治療の早期(I期、II期)の喉頭がんでの5年生存率は、約90%と極めて高いものです。また、進行した子宮頚がん(III期、IV期)は手術が不能の状態ですが、そうした患者さんでも放射線治療での5年生存率は、III期では40%強、IV期でも20%程度です。決してこの成績が高いものとは思いませんが、手術不能ながんでも放射線治療だけで治癒する可能性があることをご認識いただきたいと思います。







表3 放射線治療の目的

表3 放射線治療の目的

4)放射線治療の目的(表3)

お話したように、放射線治療は、がん患者さんを治癒する目的(根治照射)でも行われますが、「緩和的治療」「姑息照射」と呼ばれるものもあります。



まず、治癒を目的として放射線治療が行われる場合、その考え方として以下のものがあります。まず、治療成績がよく、機能・形態の保存がよい場合があり、放射線治療を十分選択肢に含めることができる場合です。対象となるがんの種類は頭頸部がん、子宮頚がん、前立腺がん、乳房の温存療法などがあります。また、悪性リンパ腫やある種の睾丸の腫瘍は、放射線感受性が非常に高く、放射線治療が第一選択に挙げられます。また、肺がん、食道がんは、手術療法に比べると治療成績は必ずしもよくありませんが、治癒は十分期待できます。



一方、緩和的治療は、残念ながらがんを完治することは難しいけれども、生命予後の延長が期待できたり、がんがあることで生じるさまざまな症状の緩和を目的として行われます。





5)放射線治療の例

実例をあげて放射線治療の実際をご紹介したいと思います。



図1は目の脇にできた皮膚がんですが、ここにがんがあったとはとても思えないくらい、放射線治療によりきれいに治っています。



図2は進行食道がんですが、約20cm弱の長さに渡るがんが、放射線治療できれいに治っています。





図2 放射線治療が奏効した食道がんの一例

図2 放射線治療が奏効した食道がんの一例


図1 放射線治療が奏効した皮膚がんの一例




図1 放射線治療が奏効した皮膚がんの一例
Добавьте подпись
また、乳がんの術後に胸壁の局所再発をきたした患者さんでは、放射線治療でもこの再発がんは治すことはできませんが、出血を生じるようながんに対して放射線治療により止血が可能となり、患者さんのQOLを高めるような治療が行えます。大腸がんが骨に転移したような患者さんでは、多くの患者さんが痛みを訴えます。そうした場合でも、放射線治療で約8割の例で痛みの軽減が期待でき、ほとんど破壊された骨が、放射線治療後に再生がみられるような患者さんもおられます。われわれ医療者も、人間の修復能力の高さを感じるような患者さんです。



こうした効果が放射線照射によって期待できます。





6)放射線治療と他の治療との組み合わせ



図3 放射線治療と手術の併用の種類

図3 放射線治療と手術の併用の種類
最初に述べたように、放射線治療は比較的適応が広いので、単独で治療されるだけではなく、手術など他の治療法と組み合わせる試みが多く行われています(図3)。たとえば「術前照射」は手術前に放射線照射を行うことですが、それはがんの縮小を図り、より手術の切除率を上げる目的のものです。また、手術中の操作により起こり得るがんの転移や播種を、術前に予防する目的で行う場合があります。



また、「術中照射」は手術中に放射線照射を行うことですが、手術により病巣を露出させ、その部分に大量に放射線を照射します。病巣にしか当てませんから、副作用は比較的軽いと考えられます。そこに更に術後照射と組み合わせることで、より大量の放射線照射を行うことができます。



手術後に行う「術後照射」は、顕微鏡的な遺残病巣-いわゆるとりこぼしのがん-が想定できる場合、それをたたいておくという治療です。



こうした放射線治療は、すべてのがんで行われるわけではありません。長年の検討の結果、それが有効ながんの種類やがんの状態に応じて検討され、適応が決められます。たとえば術前照射が行われるがんの種類には、頭頸部がんや肺がん、膵臓がん、直腸がんなどがあります。





図4 食道がんの治療成績

(放射線治療単独の場合と化学療法併用の場合)

図4 食道がんの治療成績<br /> (放射線治療単独の場合と化学療法併用の場合)
放射線治療を抗がん剤と組み合わせる場合もあります。がんの治療は「局所療法」と「全身療法」に分けられますが、放射線治療や手術はあくまでも前者の治療法であり、全身への転移が予想される場合は、後者の治療法である抗がん剤による効果を期待します。この併用に関しては、放射線による副作用と抗がん剤による副作用が重なりますから、適応には慎重さが必要です。また、放射線治療と抗がん剤との併用療法の具体的な方法については、まだ十分確立されたものがあるとはいえません。どのようながんの種類に、どのような抗がん剤を、どのようなタイミング(放射線治療の前か、同時か、後か)で使うのが一番いいのか、現在いろいろな方法が臨床試験のかたちで行われている最中です。




効果が期待できるものに食道がんがあります(図4)。放射線治療単独での5年生存率が約8%だったものが、抗がん剤の併用により32%に上がっています。すべての患者さんで可能ではありませんが、この程度の上乗せ効果は期待できるという一例だと思います。







表4 放射線治療の流れ


3.放射線治療の実際

1)外部照射の方法

表4に放射線治療の流れを示します。





図5 固定具のいろいろ

図5 固定具のいろいろ
各種の検査の後、国立がんセンターでは「臓器別カンファレンス」という医療者間の議論により、まず治療方針が決定されます。そこでの医療者側の見解を患者さんやご家族に説明し、ご理解をいただきます(インフォームド・コンセント)。それにより放射線治療が決まれば、具体的な治療に入っていきます。



まず固定具を作りますが、「固定具」とは、放射線照射時に患者さんのからだが動くと、思わぬところに放射線が当たってしまう可能性があるため、それを防止するためのものです。たとえば図5左上は頭頸部がんの固定具で、マスク状のものです。これはプラスチック状の板を加熱し、10分ぐらいで簡単にできます。胸部では左下のような固定具を、右の前立腺がんの場合では、腰が動かないように、足を固定します。このように場所に応じた固定具を作ります。





図6 三次元治療計画:

治療計画用CTやX線シミュレータから

がんの位置を決め、治療計画を立てる。

図6 三次元治療計画
治療計画用CTの撮影やX線シミュレータという機械で患者さんのがんの部位等を確認し、それをコンピュータ上で解析して三次元の像を作り(図6)、放射線照射をどのように行うかを決めます。



それが決まりますと、患者さんのからだにマジックあるいは特殊な皮膚用のペンで印を書きます。そしてようやく実際の放射線照射を、確実に計画どおりの場所に当たっているかを確認しながら行います。



通常の放射線治療は(表5)、一般に1日1回、週5回の放射線治療を、10~40回繰り返します。がんの「分裂が早い」という特徴についてお話しましたが、がん細胞には放射線治療によるダメージから回復するのが、正常細胞より遅いという特徴もあります。その特徴を利用して、がんが受けるダメージをできるだけ大きくし、正常細胞が受けるダメージをできるだけ少なくするために、毎日少しずつ照射を行うのですね。ですから治療期間は、2週間から、長い場合は8週間ぐらいの治療期間が掛かります。また、がんの種類や状態、治療目的により、1日に2~3回行う場合(多分割照射)や、1~数回で終わる照射もあります。





表5 外部照射の方法

表5 外部照射の方法
1回の治療時間というのは、5~10分ぐらいの短時間ですので、通院で行うことも十分可能です。



また、治療計画を綿密に立て、患者さんが受けてよい上限の放射線の量をぎりぎりまで使って治療します。ですから、もしその一連の放射線治療でがんに対して良好な成果が上げられなくても、原則としては同じ場所に2回目の放射線照射は行いません。





2)密封小線源治療の方法

以上、放射線治療の実際を、簡単にご説明しましたが、実はいまお話したのは、放射線治療のうち、からだの外から放射線を当てる「外部照射」と呼ばれる方法です。放射線治療にはそれ以外の方法もあります。




「密封小線源治療」というものがあり、それは組織の中に埋め込む「組織内照射」と、また筒状の臓器(胆管など)での、臓器の中に入れる方法(腔内照射)とに分かれます。





図7 放射線治療(組織内照射)が 奏効した舌がんの一例

図7 放射線治療(組織内照射)が<br /> 奏効した舌がんの一例法
密封小線源治療の組織内照射は、たとえば舌のがんに対して、放射能を帯びたラジウムの針等をぐるりと囲むように刺してがんを治療する方法です。この治療により、図7のように舌がんがきれいに治っています。また、腔内照射は、胆管がんの場合であれば、からだの外から細い管を入れ、その管を通して細い密封小線源を入れ、病巣がある臓器の内側から放射線照射を行うものです。この方法はもっとも多く行われるものでは子宮頚がんがありますが、胆管がんや気管支、食道等、「管腔臓器」であれば適応が可能になります。






表6 放射線治療の新しい治療装置・照射技術・線源

表6 放射線治療の新しい治療装置・照射技術・線源

4.新しい放射線治療─陽子線治療の可能性

放射線治療は、近年ものすごい勢いで進歩しています。皆さんご存じの「ガンマナイフ」というものも放射線治療の一種で、10年ほど前から日本でも使えます(表6)。本日はこの中で、「陽子線」による治療のご説明をしたいと思います。日本でも行える施設は少ないのですが、その施設の中に私が所属するがんセンター東病院(柏市)があります。多少宣伝じみたところがあるかと思いますが、放射線治療がどこに向かっているのかをご理解いただくために、おつき合い下さい。





1)陽子線とは

陽子線は「荷電重粒子線」というものに含まれます。通常のX線は、電子を加速して金属にぶつけると発生するもので、人に照射した場合、体表面・皮膚でもっとも放射線の量が多くなり、からだの中に入るほど少なくなります。それに対して陽子線を人に照射すると、体表面近くではあまり放射線を出さずに、からだの中に入ってからある距離で放射線を出し、そこでなくなってしまうという性質があります。





図8 X線では皮膚近くで線量はピークとなるが、

陽子線のピークはそれより長い距離のため、

そこに腫瘍を置けば、効果的に照射することができる。

(画像をクリックすると拡大表示します:9.7KB)
つまりX線がからだの中にあるがんに対して効果を示すためには、からだ表面近くにも、相対的に多くの放射線を浴びせることになります。しかし陽子線の場合は、もっとも放射線の量が大きくなる位置を計算してがん病巣をそこに持ってくれば、他の部位へのダメージが少なく、病巣に多くの放射線量を当てることが可能です(図8)。
陽子線は、がんをより「狙い撃ち」しやすい放射線治療なのですね。



言葉の定義をもう少し詳しく知りたいという方のために、放射線の分類を図9に示します。いわゆるX線は「光子線」というカテゴリーに入り、一方、いまお話した「陽子線」は重粒子線のうちの「荷電重粒子線」に含まれます。現在治療に使われているものは陽子線と炭素で、それらは「電荷を帯びている」という特徴から「荷電重粒子線」と呼ばれています。この荷電重粒子線は、すべて先ほど説明したように、ある距離で放射線を出すという特徴を持ったものです。



この荷電重粒子線は1946年にウイルソン(Wilson)により放射線医学への応用が提案されました。ウイルソンは、実は原爆を作る「マンハッタン計画」に参画した科学者の一人でしたが、第二次大戦後、「人を殺す研究はもうしたくない。人に役立つ研究がしたい」と考え、こうした研究に没頭されました。その8年後の1954年に、米国ローレンスバークレー研究所で陽子線治療が開始されています。日本では1979年に放射線医学総合研究所で、83年に筑波大学で、それぞれ治療が始まっています。


図9 放射線の分類

(画像をクリックすると拡大表示します:9.4KB)
国立がんセンター東病院では「病院設置型医療専用陽子線治療施設」が1998年に開始されています。米国で開始された1954年から、現在(2002年)までに3万3千人以上の方が荷電重粒子線による治療を受けています。



かつての陽子線治療施設は、物理学研究用の施設をお借りするかたちで行われていました。1990年、米国ロマリンダ大学メディカルセンターが初めて病院の中に専用の陽子線装置を入れ、私たちの国立がんセンター東病院は世界で2番目に病院の中に専用の陽子線治療施設を入れたことになります。ですから現実的には、医療としての陽子線治療は、ここ10年ぐらいの歴史しかありません。こうした医療専用の装置を作ることで、時間的制約がなく、いつでもがん治療に使えること、高エネルギーで深い部分の臓器のがんへも使うことができること、また、最適な照射方向が選択できるという利点が得られます。



患者さんにとって陽子線照射治療がX線と異なる点としては、まずコンピュータによる治療計画等の準備に若干日数がかかることがあります。しかし、実際の装置はかなり大規模なものですが、患者さんが治療を受ける照射室はX線の外部照射のものとほとんど変わりなく、また外来通院での治療が可能です。







表8 陽子線治療の適応1頭頸部がん

表8 陽子線治療の適応1頭頸部がん


表7 陽子線による治療の成績

表7 陽子線による治療の成績

2)陽子線治療の適応

表7に陽子線治療の成績を示します。対象となるがんの種類で一番多いのが目の悪性黒色腫(メラノーマ)です。この病気は日本人では少ないものですが、陽子線治療で5年の局所制御率が96%です。また、頭蓋底の腫瘍でも良好な成績が得られており、肝臓がん、前立腺がん、I期の非小細胞肺がんといったものも、手術とほとんど変わらない成績が得られると考えられています。





(1) 頭頸部がん

頭頸部がんでの適応を表8に示しますが、頭頸部がんと一口でいっても、その発生部位により治療法も治療成績も全く異なります。標準的には手術に放射線を組み合わせたり、放射線治療に化学療法を組み合わせたりします。ただ、頭頸部のがんですから、手術の場合には、患者さんのお顔の容貌の変化・機能欠損が懸念されます。X線による放射線治療でも、脳や目、神経、唾液腺といった、放射線が影響を及ぼしやすい臓器が近くにあると難しい場合がありました。





図10 陽子線治療が奏効した頭頸部がんの一例

(篩骨洞がん:48歳、女性)

(画像をクリックすると拡大表示します:29.6KB)
その観点からも、陽子線治療は、脳、眼球、神経、唾液腺などに近接した腫瘍が最もいい適応です。ただし、原則として遠隔転移のないものが対象で、リンパ節転移を伴う場合はケース・バイ・ケースで適応を判断します。




図10の患者さんは、篩骨洞(眼球と眼球の間にある空洞)にがんがあり、手術ができない状態です。これに対してX線で治療すると、失明の危険性や脳の障害を引き起こすことが懸念されます。ところが陽子線では、ほとんど目に当てず、また脳への放射線の量も極めて少なく済みます。この患者さんは、陽子線治療後、両眼の視力は温存されたままきれいに治っています。







表9 陽子線治療の適応2非小細胞肺がん

表9 陽子線治療の適応2非小細胞肺がん


図11 陽子線治療が奏効した非小細胞肺がんの一例

(84歳、女性、T2N0、88Gy照射)

(画像をクリックすると拡大表示します:31.9KB)
(2) 非小細胞肺がん

非小細胞肺がんの適応を表9に示します。非小細胞肺がんは肺がんの一種ですが、IからIIIA期という比較的早期での標準治療は手術です。それより進行したIIIB期では放射線と抗がん剤の併用、IV期は化学療法が中心となります。



副作用としては、放射線治療では肺臓炎が、手術では術後の痛みや呼吸機能の低下が懸念されます。



近年、社会の高齢化に伴って手術不適応例が増加しています。患者さんのさまざまな機能の低下や合併疾患によって、手術が難しくなるわけですね。陽子線治療はそうした場合の、原則的にはI~III期に対する、手術に代わり得る治療という位置づけと考えて下さい。広範なリンパ節転移があるような場合には、やはり陽子線の適応は困難になります。



人間の臓器、特に肺や肝臓は、からだを固定しても、呼吸によって平均で2~3cm動いてしまいます。ですから、放射線治療を行う場合、その分だけ目的とする範囲より広く照射しなければならなくなります。そこでわれわれは、呼吸を察知するセンサーを患者さんに付けて、息を吐いたところでしか陽子線照射ができないような仕組みを作っています(これを「呼吸同期照射」と呼んでいます)。




こうした治療により、図11の患者さんでは、1年後にはCT上も、ほとんど影がなくなっています。この方は現在2年がたっていますが、その後も順調に経過しています。







表10 陽子線治療の適応3肝細胞がん

表10 陽子線治療の適応3肝細胞がん


図12 陽子線治療が奏効した 肝細胞がんの一例(77歳、女性)

図12 陽子線治療が奏効した<br /> 肝細胞がんの一例(77歳、女性)
(3) 肝細胞がん

肝細胞がんの適応を表10に示します。肝細胞がんは多くの場合ウイルス性肝炎・肝硬変を伴います。いろいろな治療法がありますが、がんが小さい場合にはがんの場所にエタノール(アルコール)を注入したり、「ラジオ波焼却」(これは放射線治療とは異なり、実際に熱線でがんを焼きとります)という治療法が最善だと思います。
もし多発した病変の場合は、「動脈塞栓療法」という、肝臓に行く血流を遮断し、がんに栄養が行かなくする方法が最善です。では、どういうがんで陽子線治療が適応になるかというと、病巣が1、2個に限られていること、がんの位置がエタノール注入などを行うことが困難な場所にある場合で、手術に代わり得る治療という位置づけで治療を行います。


図12の患者さんでは、4cmぐらいのがんに対して、陽子線を2方向から照射し、1年後にがんは消失しています。



(4) 前立腺がん

表11に前立腺がんの適応を示します。前立腺がんも放射線治療のよい適応ですが、このがんはがん一般の治療法選択についての考え方を説明するのにいい例となりますので、後でまた触れさせていただきます。


表11 陽子線治療の適応4前立腺がん

表11 陽子線治療の適応4前立腺がん




3)陽子線治療の課題

陽子線治療についてまとめます(表12)。まず放射 線治療の一つですから、それが不得意とするがん(胃がん、大腸がんなどの消化器系のがん、あるいは消化管に近接しているがん)は非適応となります。また逆に、からだの表面に近いがん(表在の部位)であれば、陽子線を使うまでもなくX線でいいことになります。手術と同様に局所治療のはんちゅうに入りますから、限局した病巣が適応となり、広範の転移、遠隔の転移のあるIV期というものは、非適応になります。また、原発病巣(転移がんではない、もともと生じたところのがん)が適応で、転移がある場合では一般的に適応とはなりづらいです。もっとも陽子線治療が選択される適応は、放射線治療の適応であるけれども、その放射線が当たることで問題が生じやすい臓器(放射線要注意臓器)に近接している腫瘍、といえると思います。



また、陽子線治療は設備が大きく維持費がかかるため、医療費が問題になります。国立がんセンター 東病院では、「悪性腫瘍に対する粒子線治療」という名称で「高度先進医療」として位置づけられていますが、一連の治療費が2,883,000円で、これが自己負担になってしまいます。




現在、荷電重粒子線治療が行われるのは、日本全国で5カ所 (筑波大学・国立がんセンター東病院・放射線医学総合研究所・若狭湾エネルギー研究センター・兵庫県立粒子線医療センター)
で、今年(2003年)静岡県がんセンターでも開始される予定です。世界的には現在21施設がありますが、最近では中国、韓国、台湾といったアジアでの積極的な導入が目立ちます。


表12 陽子線治療のまとめ

表12 陽子線治療のまとめ





5.がんの治療法の選択

がん医療の進歩により、がんの治療法にはさまざまなものが登場しています。明らかに有用性が高いことが分かれば、その治療法を選べばいいのですが、複数の治療法が選択肢に上げられ、それぞれにいい点、悪い点がある場合、そのどれを選ぶべきか、判断に悩むケースも出てきています。さきほど少し触れた前立腺がんを例に、そのことをご説明したいと存じます。





1)前立腺がんの治療法

がんの性質を知る方法にはさまざまなものがありますが、前立腺がんで特徴的なものに(表11)、PSA値という検査値があります。その他、前立腺がんは腫瘍の大きさや組織学的な分化度によって治療成績は異なります。



前立腺がんには手術療法や放射線治療に加えて、「ホルモン感受性」というがんの性質に対する、ホルモン剤による治療(ホルモン療法)が有効です(ただし治療を続けるうちにそのホルモン療法に対して抵抗性が現れる場合もあります)。また、進行がゆっくりであるケースも多く、高齢者で高分化型の前立腺がんの場合には、経過観察だけで「何の治療もしない」という選択もとられます。







表13 治療前PSA値と治療法の違いによる 治療成績の比較

表13 治療前PSA値と治療法の違いによる<br /> 治療成績の比較

2)成績からみた治療法の優劣

前立腺に限局したがんの場合には、前立腺全摘術と放射線治療では、ほとんど治療成績は変わりません。手術あるいは放射線治療はI~III期(比較的早期)の前立腺がんに適応することができます。表13は、治療前のPSA値別に、各種の治療による「無病生存率」(がんの再発が認められずに生存している率)を比較したものです。まず表を縦にみると、どの治療法でもPSA値が高いほど生存率は低下しています。次に表を横にみると、前立腺全摘術、X線治療、陽子線治療それぞれの成績は、ほとんど差がないということが分かります。米国クリーブランドクリニックという施設での、放射線治療と前立腺全摘術の成績を比較しても、早期の前立腺がんでは生存率には差がなく、治療後60ヶ月でともに80%程度です。



一方、治療の選択には、患者さんのQOLが問題となります。つまり治療により患者さんが受けるダメージが、より少ないことが重要です。看護師さんが手術と放射線治療とで、治療後の患者さんのQOLを調査した報告があります(米国での1998年の調査)。「健康・機能、社会・経済、精神・意欲、家庭」といった一般的なQOLの指標値には治療法による差はないのですが、前立腺がんとその治療により特殊に現れる問題点(尿失禁、腸管機能、性機能)の3点では、尿失禁と性機能は手術が劣り、腸管機能に関しては放射線治療が若干劣るという結果が出ています(表14)。





表15 医師の専門による治療法の 見解の一致と相違

表15 医師の専門による治療法の<br /> 見解の一致と相違


表14 前立腺がん患者に対する調査による

手術と放射線治療のQOLの評価(米国)

表14 前立腺がん患者に対する調査による<br /> 手術と放射線治療のQOLの評価(米国)
また、表15は米国での泌尿器科医と放射線治療医に対するアンケート結果で、「中分化型の限局性前立腺がんで10年以上の予後が見込める患者への治療法は?」、つまり早期に見つかった前立腺がんの治療ではどちらが優れているのかという質問に対する答えですが、泌尿器科医の93%は「前立腺全摘術が優れている」と答えています。一方、放射線治療医の72%は「どちらの治療法も同等である」と答えています。早期の前立腺がんでは手術と放射線治療とでは生存率の治療成績は変わらず、尿失禁と性機能に関しては、放射線治療の方が優れているというデータからは、どちらかといえば放射線科医がフェアな判断をしていると思います。つまり、何を専門とするかによって、医療者の間でも意見の違いがあるのですね。




「インテル」という、世界中のパソコンで使われている部品メーカーの元会長にアンディ・グローブさんという方がいます。この方が前立腺がんになり、最終的にどの治療法を選択したかというてん末記を「フォーチュン」という経済誌に載せています(1996年)。彼は10人ぐらいの医師にいろいろ聞いてまわり、やはり専門領域によって医師間にもそれぞれ主張があるということで、「自分の治療は自分で決めよう」と考え、自ら文献を調べて、各専門病院の治療成績を-コンピュータの会社の会長さんですから-治療法別に集計し、その結果彼は放射線治療(外部照射と小線源治療)を選択しています。





4)「専門家時代」の治療法の選択の難しさ

以上のようなお話をすると、患者さんが「結局、医療者は自分の専門からしか考えないから、医療知識のない患者は、それぞれの専門家の意見に振り回されるだけなのではないか」とお考えになるのは無理のないことです。だからといって、グローブ氏のように、すべての患者さんが自らデータを解析し、治療法を選ぶというのも、現実的な話ではありません。



われわれ医療者は、自らの専門にこだわることなく、目の前の患者さんにとって「何がベストか」を念頭におき考えて、患者さんと治療方法の選択についてじっくり話し合う必要があります。しかし、とくに新しい治療法の効果の、科学的・統計的な成績が実地診療に根づくには、多少の時間的なずれも生じます。また、医療者自身の経験的な判断や患者さんの病態・置かれている社会的状況も、治療法選択の要素として多くの部分を占め、その判断は複雑になっていきます。科目により医師の判断に違いが生じることも、現実にはあるかと思います。



ただ私は、そこでの放射線治療医の役割は小さくないと考えます。日本のがん医療の現状は、外科と内科とがさらに多くの部位等で分かれ、その専門性を高めるべく努力をしています。しかし放射線治療医は、ほとんどのがんの種類を治療対象としており、それぞれの疾患に対する医学的な知識も持ち、より公平な目で判断できるポジションにあるのではないかと思います。たとえば同じ病院の中でも、放射線治療医にセカンド・オピニオンを求めるということも、治療法決定の際には参考になるのではないかと考えます。



ご清聴、どうもありがとうございました。




Q&A

荻野



「なぜ同じ場所に2回目の放射線照射ができないか」という質問と、「晩期の放射線障害とは何か」という質問があります。この2つは深くかかわっていますので、ともにお答えしたいと思います。



「同じ場所に2回できない」というのは、晩期の放射線障害(遅発性障害)が懸念されるからです。放射線は細胞のDNAにおける「増える」という過程に対して作用するとお話しました。ですから、治療後に新しく生まれた細胞であっても、照射を受けた部分の細胞のDNAは、「放射線照射を受けた」ということを覚えてしまいます。そのことが、治療後しばらくたって障害が生じることのゆえんです。ですから10年後であっても、細胞はかつて受けた放射線照射を覚えており、その次に照射すると、それはかつての照射との足し算、場合によっては掛け算のような影響を細胞に与えてしまいます。それぞれの臓器が、どこまでの放射線照射に耐えられるのかをわれわれはデータとして蓄積し、最大限の効果が出る量で放射線治療を行います。つまり2回目の治療は、仮に1回目の治療から時間がたっていても、正常な細胞に与えるダメージを考えると、行うのが難しいということなのです。逆にいえば、部位さえ異なれば放射線治療は行えますから、同じ患者さんでも別の部位・別のがんに対する放射線治療は行えます。



具体的な晩期の放射線障害の症状は、場所によって異なります。たとえば首辺りに大量に放射線照射をすると、皮膚が潰瘍を作ったり、腕を挙げる神経が駄目になって、腕が利かなくなってしまうということは、可能性としてあります。



既に放射線治療を受けられた方で「放射線治療により下血が起こっているのだが」というご相談があります。これがまさしく前立腺がんの放射線治療後の、晩期の副作用です。前立腺のすぐ後ろに直腸があり、そこにも若干の放射線が照射され潰瘍ができ、下血が起こります。また、前立腺の前には膀胱があり、放射線照射でもし膀胱に潰瘍が起これば、血尿が起こります。



われわれはそうした障害が生じない放射線の量を、綿密に立てた治療計画に沿って行います。障害が生じないぎりぎりの量を1回目の治療で行うのが放射線治療の原則です。また、そこで生じ得る晩期の障害については、その他の副作用と同様に主治医・放射線医から説明を受けていただきたいと思います。



今日お話した陽子線治療は、そういうリスクを下げ、なおかつ大量に照射できることが利点になります。しかし、その場合でも消化管のように放射線に弱い臓器では放射線治療は困難です。消化管に腫瘍ができた場合には、基本は手術治療が第一選択で、仮に大量の放射線照射を行っても治らない場合が多いですし、副作用として消化管に穴が開いてしまうと腹膜炎を起こします。基本的には消化管のがんは放射線治療の適応とならず、また消化管に近い臓器への照射には注意を要します。



「骨転移に対する放射線治療とは」というご質問です。講演でも触れたように、骨転移に対する放射線治療は、がんを根治する治療ではなく、基本的には緩和的な治療になります。この場合は大量の放射線照射をしなくても痛みを和らげることが可能です。また大量に行う必要がないので、陽子線等を考える必要はなく、X線治療で十分な効果が得られます。



「放射線治療は焼き切るのではない、ということですが、要するにがんに放射線を照射すると何がどうなるのか」というご質問があります。基本的には、放射線照射によりがん細胞のDNAが破壊され、がん細胞が死に、細胞が死ねばそれは単なる蛋白質ですから血流に乗って吸収されて、からだを作る単なる栄養となってしまうわけです。がんに限らずあらゆる死んだ細胞は、ばらばらになって血管に吸収されてなくなってしまう。それと同じですね。



ただ、すべてのがんがこのように「なくなる」わけではなく、かたちとしては腫瘍は残っているけれども、それ以上は大きくならないということも治療効果の一つです。「勝手に増殖する」という側面が、がんが「悪性」と呼ばれる一つの要素なのですが、それを抑えられれば「有効」とみなすことができます。放射線治療はがんの「増える」という性質に対して行われるわけですから、がんがなくなったり小さくなったりしなくても、そのままの大きさ・状態が数年続けば、それを治癒とみなす場合もあります。患者さんにとっては「小さくならない」というのが不安材料になると思いますが、そういう治療のあり方もあるということを、ご理解いただきたいと思います。



以上、お答えできる範囲でお話させていただきました。



2003年6月14日(中央区立中央会館大ホール)



--出典--

診療と新薬 第40巻第10号(2003年)









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